「買ったばかりの黒いバイクカバーが、半年後には背中だけ紫色やグレーに変色してしまった」 そんな経験はありませんか?
これは単に見栄えが悪くなるだけではありません。色あせは、生地の強度が落ちている危険なサイン(SOS)なのです。 今日は、NANAHANが製品開発において最も重視している素材の基礎知識、「原着糸(げんちゃくし)」と「後染め(あとぞめ)」の決定的な違いについて解説します。
1. 多くのカバーが採用する「後染め」の限界
一般的に流通している安価なバイクカバーの多くは、「後染め(Piece Dyed)」という手法で作られています。 これは、白い糸で生地を織り上げた後に、黒い染料のプールに漬け込んで色をつける方法です。
わかりやすく野菜で例えるなら、「ラディッシュ(二十日大根)」です。 外側は赤い(黒い)ですが、切ってみると中は白いまま。つまり、染料は繊維の表面に乗っているだけの状態に近いのです。 これでは、日本の強い紫外線(UV)を浴び続けると、表面の染料が化学分解を起こし、すぐに下地の白や変色した紫色が出てきてしまいます。
2. 最強の耐候性を持つ「原着糸(Solution Dyed)」とは
対して、NANAHANが推奨し、ハイエンドモデルで採用されるのが「原着糸(Solution Dyed)」です。 これは、糸になる前のドロドロに溶けた原料(ポリマー)の段階で、黒い顔料(カーボンブラック等)を練り込んでから糸にする製法です。
野菜で例えるなら、「ニンジン」です。 皮を剥いても、切っても、中までずっと同じ色。色素が繊維の芯まで均一に結合しているため、紫外線による分解に対して圧倒的な抵抗力を持ちます。
3. 科学的根拠とデータ
繊維業界の標準試験である「JIS L 0842(紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験)」において、両者の差は歴然です。
- 一般的な後染め生地: 耐光堅牢度 2級〜3級(数ヶ月の屋外使用で変色が始まるレベル)
- 高品質な原着糸生地: 耐光堅牢度 4級以上(長期間、黒さを維持する)
色あせが少ないということは、「繊維そのものの劣化(加水分解や光酸化)」も遅らせることができることを意味します。つまり、原着糸のカバーは、見た目が綺麗なだけでなく、「破れにくい期間」が長いのです。
4. 結論
もしあなたが、「安いカバーを半年ごとに買い替える」ことに疲れているなら、次に選ぶべきは「厚み」だけではなく「糸の染め方」です。 NANAHANは、愛車を守る「黒」の質にこだわります。

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